監督失格

こんばんは
珍しく夜の更新です。
今日は凄い映画を見てしまいました。

すでに話題になりつつある、
平野勝之監督

監督失格

H.P.はこちら
予告編はこちら

自身の誕生日の2時間前に急浙した人気AV女優林由美香と11年ぶりの復活奇才平野勝之氏の
”やらせなし”の愛の記録映画である。
映画の前半は14年前に撮影した”由美香”(原題”わくわく不倫旅行”)のダイジェスト版が流される。
恋人同士になったばかりの2人(不倫ですけど)が40日間かけて自転車で新宿から北海道の最北の地に旅に出る。
その道中をエッチしながら旅を続ける様を記録するというなんとも破天流なAV作品だ。
ここの幸せそうな2人が実に良い。
疲れて泣いたり、けんかしたり、酔いつぶれてお漏らししたり、、
自転車旅行の疲労の果ての決して演技ではない女優の真のかわいらしさ、愛らしさを
監督は余すところ無く記録する。
それは、監督と女優、同時に恋人同士でなくては生まれ得ない
非常に貴重な幸せの映像だ。

そして、幸せの撮影旅行が終ると同時に
この2人も別れてしまう。

映画の後半、
監督は由美香を忘れるために、新たな企画に挑戦するがどれも挫折に終ってしまう、、
由美香以上のミューズに出会えないのだ。

なんとか”友達関係”として復縁した監督は、彼女の誕生日に喜び勇んでビデオをまわして
彼女の部屋に向う。
何度も押しても出ない呼び鈴に不安を覚えた氏は、彼女のママを呼び合鍵で部屋に入る。
そこには、倒れて変わり果てた姿の彼女があった。
床に転がったビデオがその現場のいちぶしじゅうを録画してしまう。

長年親交のあったママだが、死の現場にカメラが回っている事に憔悴し、
娘の死に監督が関わっていると考えてしまう。
そして、弁護士の立ち会いのもと、この画像は封印されてしまうのだ。

行き場のないビデオ素材を抱えた監督も憔悴し、その後5年間一切ビデオを撮れなかった。

そして、昨年、ママが、娘を忘れない様にこの作品を仕上げても良いと言ってくれ、
今回の上映に至る。

初監督で好きになってから氏の20年近くにも渡る壮絶な愛の葛藤記録映画である(これでも不倫なのが凄い)。

そこには、どんな役者の演技も脚本も到底立ち向かえるものではない。

映画を見終わった後、放心して立つ事もままならない。

一生忘れられない映画にまた1本であう事が出来た。

プロデュースはエヴァの庵野秀明氏である。
なぜ?と思ったが、
生前から2人に親交があり、平野氏の作品のファンだそうであり、即答で引き受ける事を決めたそうだ。

音楽はなんと矢野顕子。
この映画のために6曲を書き下ろしている。
またこれが、切なく胸に染み込む。

渾身の力を注いで完成させた平野勝之の”監督失格”

この様なカタチで世に出せるのは作家にとって幸せの極地ではないか。

気になった方、ぜひ観て来て

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