sony α7RIII

ついにミラーレス時代に?!

満を期して発売されたsonyのミラーレスカメラα7RIII。

同時発売のレンズ24-105f4と共に、発売日に受け取りセットアップ。翌日には本番撮影のメインカメラとして使ってみました。

フィルムカメラ時代から写真家として仕事をさせていただいているので、デジタルカメラは、発売初期から、ニコン→キャノン→コダック→リーフ→フェーズワン→ニコンとほぼ全てのモデルを使用してきました。

sonyのミラーレスカメラにも注目し、今までもテストはして来ましたが、プロの撮影現場に使用するにはどうしても役不足でした。センサーとレンズは良い。しかし、カメラとしての使い勝手と機能が不足している。そういう理由でした。

しかし、とうとう、sonyのミラーレスカメラがメインカメラになる。そんな時代が到達しそうです。

USB3.1 type-CとUSB2マイクロUSB端子 装備

職業カメラマンに必ず必要なもの、それは撮影画像をリアルタイムに外部モニターに映す”デザー撮影”です。撮影はカメラマン一人で仕事をしているわけではありません。クライアントさん、デザイナー、メイクさん、スタイリストさん、多くの人々が、モニターを注視してそれぞれの視点で画像をチェックをしています。これに必要なのが、高速データ送信ができるUSB3接続です。sonyはようやく初めてUSB3.1を装備してくれました。これでようやく撮影の現場に参戦できます。

テザー撮影中に電源も供給

テスト中に気がついたのですが、接続してテザー撮影中にカメラ本体に電源も供給してくれます!(デジタルバックと同様ですね)これはありがたい!C社にもN社にも無い機能です。これでバッテリーの交換を気にしないで1日中、何時間でも撮影することができます!

瞳AFは素晴らしいsonyの技術

モデル撮影専門カメラマンの僕が、この瞳AFの為に機材替えをした。と言っても良いくらいの技術です。各社顔認識AFを装備していますが、瞳AFはそれとは別物のAF技術です。ビデオカメラでAF技術を磨いて来たSONYだけが到達した素晴らしい機能です。

α9の80%ほどの性能。との評価があるようですが、α7RIIIの方がずっと画素数が多いですからね。それでもこの使用感には驚かされます。まさにモデルカメラマンの撮影技術革新。ピントの問題から解放されて、さらにモデルとのコミュニケーションと絵作りに専念できます。

AF精度は完璧

1眼レフカメラはNIKON D850を使用しています。このカメラは間違いなく現在の1眼レフカメラの最高機です。しかし、1眼レフである以上超えられない壁があります。計測点エリアの狭さとピント精度の不安定さ、です。これはいくら技術を詰めても、1眼レフの構造上、完全な解決は難しいでしょう。新型機でAF精度を高めても、その頃にはセンサーの解像度も上がり、更なる精度が求められてしまい、いつまでも完全なAF技術にはなりえません。

長年の1眼レフの技術的問題をミラーレス機は軽々と乗り越えました。フォーカスエリアは縦横68%399点の像面位相差AFと425点のコントラストAFでほぼ全面でAFが効き、フレキシブルスポットと瞳AFでは、開放絞りでもほぼ完璧にピントが来ます。(ゾーンAFでは完璧とは言えませんでした。ピン甘カット率が多くなります。)

Captureoneにはすでに対応

プロが使う撮影ソフトcaptureoneとソニーは提携しており、発売当日にはすでに対応済み。これは大変助かります。導入してすぐに現場のワークフローに加えることができます。(新レンズ24-105f4のレンズプロファイルはまだありませんでした)

可逆圧縮RAWはない

プロはほぼ全カットをRAWデータで撮影します。SONYでもRAW撮影は出来ますが、なぜか無圧縮RAWと圧縮RAWの2種類のみ。N社は、画像を劣化させない可逆圧縮RAWが選べるのにSONYは採用していません。シャッター数が少なければ、無圧縮RAWで行きますが、モデルカットで1日1000カット、全データ保存。となれば、少しでも効率よくファイル容量を抑えたい。

sonyさん、ファームアップで可逆圧縮RAW、出来ないでしょうか?求めているカマラマンは多いと思うんですけど。

圧縮RAWと無圧縮RAWの画像撮り比べ

左が圧縮RAWの100%拡大。右が無圧縮RAWの100%拡大。白のハイライト表示の面積がわずかに向上(縮小)している。

同画素数のD850の可逆圧縮RAWは1カット50.5MB。 α7RIIIの無圧縮RAWは85.6MB。圧縮RAWは43.0MBでした。

操作性はまあまあ。

カメラの製造に馴れたC社やN社に比べて、カメラ製造の新参者のsonyはメニューが複雑、使いづらい、と悪評の高いものだったが、α9あたりからようやく改善。僕がSONYのビデオに馴れているせいもあり、なんとか、現場でも混乱しない程度の使用感に収まっている。

スチル、ビデオとなんでも出来るので、とにかく設定項目が多い。更に、ボタンを少なくして全てを背面パネルで操作しようとしているので、やはり操作は面倒臭い。

マイメニューに登録しまくって、自分なりの設定を確立することが近道だ。

1眼レフ終焉の時は来るのか?

2眼レフ機から進化して、長らく続いた1眼レフ時代。あれだけ当たり前だったフィルムカメラが消滅したように、いつかのタイミングのブレイクスルーでミラーレスカメラの時代に移行する日が来るかもしれません。

1日本番で使い込んで、ミラーレスの気になる点もありました。

電子ビューファインダーの出来は良く、ピントの山も把握できるのですが、ファインダーを通して感じる”モデルの色気”が感じきれない。

プロカメラマンというのは、ライバルカメラマンでは撮れないような、永遠で最高の一瞬を撮影する為に、全神経を込めてファインダーの中の被写体と対峙しています。

モデル撮影で言えば、枠の中に入って、ピントがあっていればOKでしょ?では不十分なのです。

誰にも撮れない、自分だけがシャッターを切れる、そのモデルの最高の一瞬を狙って構えている。ファインダーを通して、その先の気やオーラを感じながらシャッターチャンスを狙うのです。

電子ビューの作り出す画像にはその”気”が感じられにくい。

これも、時間をかけて人間が順応すれば、いつしか解決してゆくのでしょうが。

N社の1眼レフシステムと2システム体制でゆくか、

SONYミラーレスに全面入替えを果たすか、

もうしばらくテストを繰り返して吟味してみます。

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